223日(土)、24日(日) 大館市民文化会館中ホール
全席自由 500円(1日券・4本立て)
【時間】
23日 (土) @ 野火 9:00〜10:44 A おはん 11:00〜12:52 B ぼんち 13:20〜15:04 C 東京オリンピック 15:20〜18:09
24日 (日) @ 東京オリンピック 9:00〜11:49 A ぼんち 12:20〜14:04 B おはん 14:20〜16:12 C 野火 16:25〜18:09
【主催】 大館市教育委員会/(一財)大館市文教振興事業団大館市民文化会館/文化庁/国立映画アーカイブ
【特別協賛】 木下グループ
【協力】 株式会社オーエムシー
【プレイガイド】
大 館 市:いとく大館ショッピングセンター / イオンスーパーセンター大館店 / 大館市民文化会館
能 代 市:いとく能代ショッピングセンター / 能代市文化会館
鹿 角 市:いとく鹿角ショッピングセンター / 鹿角市文化の杜交流館「コモッセ」
北秋田市:いとく鷹巣ショッピングセンター / 北秋田市文化会館
【お問い合わせ】 大館市民文化会館 0186-49-7066
12/1(土)発売開始!!
野火 [1959年 大映(東京)] 白黒 シネマスコープ 104分
田村 船越英二
安田 滝沢修
永松 ミッキー・カーチス
兵隊1 星ひかる
兵隊2 月田昌也
曹長 潮万太郎
不精ひげの軍医 石黒達也
兵隊A班長 稲葉義男
狂人の将校 浜村純
分隊長 伊達信
「俘虜記」や「レイテ戦記」など、戦後の戦争文学に大きな足跡を残した大岡昇平の同名小説を映画化したものである。戦争末期のレイテ島の戦場。食料難のため部隊からも病院からも見捨てられた主人公。さまよううちに知り合った二人の敗残兵。その一人は猿の肉だと称して人肉をすすめる。それに気付いた時に自分も殺されそうになり、逆に相手を殺してしまう。映画化にあたって市川崑監督は次のように述べている。「大岡さんは原作の中で、大変大きなテーマとして神を登場させている。……映画ではむしろ神の問題を全部なくすことによって神を感じさせられる……だから原作では主人公が人肉を食うけれど、映画では食わない。……そこで人肉があまりに固いために歯がボロリと欠けるという具合に書き変えた。歯が欠ける、これが映画ではないだろうか」。ブラック・ユーモアを得意とし、才気煥発な監督ならではの弁である。「キネマ旬報」ベストテン第2位。


おはん
[1984年 東宝映画] カラー ビスタ 112分
おはん 吉永小百合
おかよ 大原麗子
幸吉 石坂浩二
おばはん ミヤコ蝶々
お仙 香川三千
長谷川歩
大工の棟梁 浜村純
富五郎(人形師) 常田富士男
半月庵の女将 横山道代
十年の歳月をかけて宇野千代が書き上げた昭和文学の古典的名作を、市川崑監督が、前作『細雪』で新たな女優像を獲得した吉永小百合を主演に迎えて映画化。本作で演技の幅をいっそう広げた吉永は、第8回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得し、女優としてさらなる飛躍を遂げた。この作品は、出来心から妻を捨てた男が、芸妓と元妻の間で揺れ動く心の迷いを、やがて迫り来る我が子の水死という因果応報的な世界観とともに描き出している。様式化された俳優たちの演技にくり返し重なるマーラーの交響曲第5番第4楽章の旋律もまた、そのような世界観を影で支えている。市川監督が原作を離れて演出したラストシーンにおいて、それまで従順であった元妻が浮かべる不敵な笑みは、独占欲の強い芸妓との性格の違いを解消して、二人がまるで一人の女性であるかのような印象を与える。「キネマ旬報」ベストテン第6位。


ぼんち [1960年 大映(京都)] カラー シネマスコープ 104分
喜久治 市川雷蔵
仲居頭 お福 京マチ子
芸者 ぽん太 若尾文子
女給 比佐子 越路吹雪
仲居 幾子 草笛光子
喜久治の妻 弘子 中村玉緒
母 勢以 山田五十鈴
父 喜兵衛 船越英二
祖母 きの 毛利菊枝
内田まき 北林谷栄
春団子 中村鴈治郎
原作は、山崎豊子が「週刊新潮」に長期連載をした小説であり、原作者が得意とする大阪の商人ものの一編である。舞台は大阪・船場。四代続いた裕福な足袋問屋の一人息子が、女系家族の中で甘やかされ、それゆえに悪戦苦闘する姿が、多彩な女性関係を中心にして年代記風に描かれている。映画では、60歳近くになった主人公が、戦争による苦難をようやく乗り越え、家の再建を図ろうとするにあたり、昔のあれこれを回想するという形式が採られている。そこに登場するのは、自分を溺愛した祖母や母のみならず、これまで関係したさまざまな女性たちである。彼女らを演じるのは、ベテラン、演技派、若手まで、みな当時を代表する個性的な映画女優であり、その競演が一つの見どころであると言えよう。また、主演の二枚目時代劇スター・市川雷蔵は、市川監督の『炎上』(1958)で初めて現代劇に出演、その演技力が注目されたが、ここでは老け役に初挑戦している。


東京オリンピック
[1965年 東京オリンピック映画協会] カラー シネマスコープ 170分
1964年10月10日から24日まで開催された第18回オリンピック東京大会は、スポーツによる国際交流の場を通して、わが国が世界にその復興を示した国家的規模の一大行事であったと言えるだろう。この作品はそのメモリアル・フィルムとして市川崑総監督以下、561人のスタッフが結集して製作され、翌年公開されるや空前の観客動員を記録し、12億を超える配給収入を上げた話題作である。また、その際に「記録か芸術か」という問題を提起し、様々な議論を巻き起こしたことも忘れられない。それは、この作品がスポーツの勝敗よりも、スポーツをする「人間」により多くの描写を費やしたためとも言えるのだが、これはこれで作家市川崑としての一貫した姿勢でもあった。結果は、カンヌ国際映画祭批評家協会賞受賞、「キネマ旬報」ベストテン第2位選出にも表れている。