月が追ってくる!? (2008/09/19掲載)

 どうでもいいような親子の会話から始めさせていただきます。
月齢17日の月を見ながら、「月が満ちていくときはなかなか満月にならないのに、欠けていくのはすごく速く感じない?」「そういえばそうだな」「なんでだろう」と珍しく親子の会話がつながりました。その場の結論としては、満ちていくときはまだかまだかと待ちわびる心が時間を遅く感じさせ、15日を過ぎると望月を惜しむ気持ちがあれよあれよと欠けていくように思わせるのではないかというものでした。
 思えば人生も、半ばを過ぎると時の経つのが速くなるのは、もしかしたら盛りを過ぎたことを惜しむという同じ「心」の問題か、となかなか哲学的かつ心理学的(ほんとか?)な思い入れで、欠けていく月を見上げたのでした。
 視線を目の前の文化会館の我々の仕事に転ずると、年中バタバタして時間に追われているのはなぜなんでしょう。自主事業も、本番はまだなのに時間の経つのが速いこと。これを心理学的に考察すると…、そうか、本番がまだ来てほしくないという気持ちの表れか。
 というわけで自主事業のCMタイム。

●おおだて特選落語会
柳家さん喬師匠が本格の芸で、江戸や明治のゆったりとした時間に誘ってくれることでしょう。もっとも弟子の喬太郎さんはだいぶ現代が入っています。9月26日(金)午後7時開演です。好評前売中。
●舘野泉のピアニズム
心豊かな国といえばフィンランド。そこで国民的ピアニストと慕われ、世界中に多くのファンをもつ舘野泉のリサイタルです。3000回以上のコンサート、100枚以上のレコード・CDを発表している日本人ピアニストは、おそらく他にいないでしょう。ピアノ演奏の良し悪しがわからないという方にこそ、心からお勧めします。10月5日(日)午後4時開演。同じく好評前売中。
●都響の「第九」
「のだめカンタービレ」で一躍脚光を浴びた感のある東京都交響楽団。このオーケストラをチェコの俊英スワロフスキーが指揮するベートーヴェンの「第九」が、いよいよ10月12日(日)前売開始です。「第九」の全曲演奏は大館では初めて。本番は12月6日(土)です。詳しくは改めて。

会館自主ではありませんが、9月21日(日)はコールOMGと大館男声合唱団の演奏会です。OMGは第25回の節目、「継続は力なり」ですね。
最後に報告を。落雷によりしばらく止まっていた文化会館敷地入口の大時計がやっと直りました。あの時計、市民に結構見られているようで、ずいぶんお電話をいただきました。これからもどうぞよろしく。 (陽)