一緒に「歓喜の歌」を歌いませんか? (2008/05/02掲載)

■ベートーヴェンの時代@
石黒耀「死都日本」(講談社、02年)という、高千穂峰の巨大噴火による南九州の壊滅と、それに伴う地球規模の災害を描いたパニック小説があります。最新の地学的知見を元に構成された災害のシミュレーションは、十和田火山の火山灰に厚く覆われた北東北の地に住まう我々にも他人事でない怖さがありました。
火山の爆発はある意味地震より破局的です。巨大地震が倒壊・火事・津波で甚大な被害を与えるとはいっても、ひとつの地震が全地球的な影響を与えることはあまり考えられません。それに比べて火山の爆発は、直接的な溶岩や火砕流のほか、空中に大量に撒き散らされた硫黄酸化物などの有毒物質が家畜や人間を襲い、またエアロゾルが成層圏で地球を覆い太陽光を遮るため、世界的に冷害(ひどい時は小氷河期)やそれに伴う社会不安をもたらすのです。
ベートーヴェンが12歳の1783年は、日本で浅間山が大噴火しアイスランドでは「ラカギガル割れ目噴火」があった年です。この影響で、天明の大飢饉をはじめ北半球全体が凶作となり、フランス革命などの遠因の一つとなっています。ベートーヴェンの時代は、ナポレオンやフランス革命にアメリカの独立、それに産業革命など、政治・社会的にも激動の時代でしたが、自然も激動していたわけですね。
ベートーヴェン(1770〜1827)の音楽やその時代の一端を知ってもらうためのミニシリーズ。12月の第九演奏会まで不定期に続けます(ただし、ものの役には立たないので悪しからず)。

■「第九」合唱団募集開始!
以前にも12月6日の「第九」で市民合唱団を組織することはお伝えしていますが、いよいよ合唱団員の募集が始まりました。プロの指揮者、オーケストラ、ソリストと共に「歓喜の歌」を歌う歓びを、ぜひ味わってください。
募集人員はソプラノ80人、アルト70人、テノール50人、バス50人で合計250人。募集の締切は5月24日(土)です。年齢、経験等とくに制限はありませんが、週1回の練習に参加する熱意と体力は必要です。市外にお住まいの方でも歓迎します(ただし練習に参加できる方)。
練習は基本的に毎週土曜日の夜7時から9時まで大館市民文化会館で。6月7日から練習を開始する予定です。指導はプロの合唱指揮者である斎藤育雄氏(10回)と地元指導者(未定)が行います。
それから、参加者には団費として5000円を負担していただきます。何しろ総額1000万円を超える事業ですので、どうかご了承ください。
詳しくは大館市民文化会館(0186−49−7066)までお問い合わせください。電話での申し込みも受け付けています。これほどの機会は、もしかすると大館では絶後かもしれません。参加をお待ちしています。

■シエナどうしようかな?の方に
ある調査によると、5月25日の「シエナ・ウインド・オーケストラ特別演奏会」を聴きたいと思っているけれど迷ったり決めかねている人がおよそ836人いるそうです。残念ながらそのすべての方にはご入場いただけません。日本一の人気吹奏楽団を他所の半額程度の料金で聴けるこの機会を逃して後悔しないためにも、早めの前売券購入を、老婆心ながらお勧めします。 (陽)