ことしは「合唱の年」? (2008/03/07掲載)

■合唱の年、第一弾はジュニアコーラスのコンサート
 文化会館の職員が直面する悪夢といったら、まあわが身を省みてもいろいろあるわけですが、ダブルブッキングはその最たるもののひとつです。ブッキングとは予約とか出演契約のことで、文化会館のダブルブッキングと言えば、つまり二重に予約を受け付けること。練習室だったら空室があれば他の部屋に代わってもらうこともできます。もちろん平謝りですけどね。でもこれが両方とも大ホールだったら…。

 こんな悪夢のような状況に陥った文化会館職員(小林薫)を主人公にした映画が、2月2日に封切られた『歓喜の歌』。ダブルブッキングしたのがどちらもママさんコーラスだそうで、「そりゃあ揉めるよな」と言ったのは決して私ではありません。タイトルの『歓喜の歌』とは、ご存知のベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」ですね。フィナーレの映像が目に浮かぶようです。原作はなんと立川志の輔の新作落語。各地の文化会館での見聞が発想の元になったそうで。

 同じく映画で、『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』などに続く部活モノ(?)として4月5日に公開されるのが『うた魂(たま)♪』。高校の合唱部を舞台にした青春映画で、出演は夏帆、ゴリ、薬師丸ひろ子など。これも面白そう。

 ということで、ことしは「合唱の年」と、個人的にですが決めちゃっているわけです。年末には当館でも「第九」をやることだし。

 合唱の美しさは、平均率では出せないような純正なハーモニーが出せるところにあります。ビブラートをかけないで純正なハーモニーが生まれたときの響きは、まさに天国的といっていい気持ちよさ。当館で04年のスバンホルム・シンガーズを聴いた方なら納得してもらえるはずです。

 とはいうものの、当地で合唱は必ずしも盛り上がっていると言えないのが現実。中学校などの校内合唱コンクールは結構盛んですが、部活の合唱部があるのは県北では小中高合わせても大館一中のみです。ママさんコーラスは、数はあるものの、若い人が入ってこないことが悩みで高年齢化が進んでいます。みんな合唱が嫌いではないと思うのですが。

 当館では合唱の振興をまず子どもたちからということで、05年、小学生から高校生までを対象に大館ジュニアコーラスを立ち上げました。週1回の練習で部活のようにメキメキとうまくなるのは困難ですが、古家葉子、安田優子両先生の努力でだいぶ力をつけてきたと思います。3年目の今年、初の単独コンサートを行います。余分な演出や装飾もないので、タイトルは「大館ジュニアコーラスminiコンサート」。3月22日(土)午後2時から約1時間半のステージです。入場無料ですのでぜひご覧ください。入団してみたいという子どもたちもぜひお出でください。ちなみにいつでも入団可能です。

■シエナ発売開始
 いま日本で最も人気のあるプロ吹奏楽団のひとつ、シエナ・ウインド・オーケストラの大館公演は5月25日(日)開催です。前売料金が一般3000円、小中高生1500円と廉価(ふつう6000円とかです)なのは、宝くじの助成による特別料金のため。自由席ですが売り切れが予想されますので、お買い求めはどうぞお早めに。9日(日)9時発売開始です。

 シエナのコンサートでは、アンコールの「星条旗よ永遠なれ」で観客も演奏に参加できます。楽器を持って、来たれブラバン少年少女(元含む)諸君! (陽)