閉館するということ (2007/10/19掲載)

 きりたんぽ祭りも終わり、朝夕の冷え込みが深まる秋を実感させてくれる季節となりました。秋といえば食欲の季節、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私といえば食べ物が美味しくて美味しくて、このままではメタボリック一直線になってしまいそうな今日この頃。好きなものを好きなときに食べられる環境に生まれたことに日々感謝をしつつも、この飽食の時代だからこそ自分を律する力が試されているのかもしれない…などと考えたりする理性を他所に、湧き上がる食欲には抗うことができないでいる私であります。食欲の秋はさておき、秋といえば芸術の秋でもありまして、10月から12月にかけては多くのお客様に会館をご利用いただいております。我々の仕事は、自主事業の企画や実施はもちろんのことですが、会館を利用していただいてナンボの商売でもありますから、非常にありがたいことであります。まぁ、芸術の秋に文化ホールが閑散としているようでは、あまりに悲しすぎると思いますので、今後もドンドンご利用いただければと思っています。

 さてさて先月9月1日付けのニュースによると、お隣青森県の黒石市にある黒石市民文化会館が来年4月から休館するとが決定したそうです。記事によれば、築25年が経過し施設の経年劣化が進んだため、改修工事が必要となったが、財政難のためその改修工事費用が捻出できないというのが休館の理由だとのこと。同じ公立文化施設で働く者として、非常に残念で寂しいニュースでした。「非常に残念です」なんてまるで他人事のように書いてしまいましたが、実は大館市民文化会館も他人事ではありません。築25年といえば大館市民文化会館とは同い年であり、当館ももれなく経年劣化が進んできています。同じような状況に立たされる可能性も否定はできません。しかし前段でも書いたように、我々はみなさんに「使ってもらってこそ」の仕事をしているわけですから、お客様が安心して足を運べるような会館づくりをすることは最低限の責務と肝に銘じていきたいと思っています。公立文化施設に携わる人間として、どんな形であれ「館を閉める」ということは悲しい出来事です。万が一にもそんな日が来ないことを願い、みんなが芸術や文化とふれ合える場所として、そしてみんなから愛され必要とされる場所として、しっかり歩いていけるように頑張っていきたいと思います。

 なんだか桜町通信に不似合いな文章になってしまったので、最後に少々告知を。10月20日(日)〜21日(月)には「スティールパン・ワークショップ」が開催されます。ワークショップの最後には中ホールで弘前大学スティールパン部のコンサートもあります。21日18時30分開演で入場無料ですのでぜひ観に来てください。

 また11月10日(土)には「クレイジーケンバンド-SOUL電波2K7-」が開催されます。巷では「もう完売」という噂が流れているようですが、まだチケットはありますのでお間違えのないように。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。お問い合わせは大館市民文化会館0186-49-7066まで。
(山)