『11月の自主事業から』 (2006/10/20掲載)

■中村錦之助が観たい!
 邦画の最盛期である昭和三十年代の映画界を背負った大スターたちの中でも、とりわけ国民的な人気を誇ったのが中村錦之助(のちに萬屋錦之介)。歌舞伎俳優三代目中村時蔵の四男として生まれ、映画界に入るや『笛吹童子』、『紅孔雀』の大ヒットでたちまちアイドルとなり“錦ちゃんブーム”を巻き起こしました。
 彼の代表作は何といっても内田吐夢監督の『宮本武蔵』シリーズでしょうが、加藤泰監督の『沓掛時次郎・遊侠一匹』も錦ちゃんの魅力が全開の名作です。渥美清、岡崎二朗といった脇役の演技もすばらしいですが、とにかく錦之助のいなせな旅烏姿がしびれます。小林信彦が著書で語るように、「錦之助が激怒するシーン、殺陣、言葉づかい――すべてが美しい。惜しいスターを失ったと、つくづく思う。」
 『沓掛時次郎・遊侠一匹』を含む往年の名作四本が五百円で観られる大館市民文化会館主催事業「昭和名画座」は十一月四日・五日の二日間開催です。(陽)

■棟方志功〜炎じゃわめぐ〜
 この冬に秋田市文化会館で、わらび座ミュージカル「棟方志功〜炎じゃわめぐ〜」の公演が開催されます。料金は前売三五〇〇円。この秋田市文化の公演についてはテレビコマーシャルが結構流れているので、ご存知の方も多いとは思うのですが、実はこの「棟方志功〜炎じゃわめぐ〜」は十一月二十四日(金)十九時開演で大館市民文化会館でも開催されるのです。
 さて、大館市民文化会館のスタッフである私が、なぜ秋田市文化の宣伝をわざわざここでしているかというと、それにはちょっとした理由がありまして、前述したとおり秋田市文化の公演は入場料金が前売三五〇〇円なんですが、大館の公演は「前売一五〇〇円と破格の安さでご提供です!」ということが言いたかったからなのです。ちょっと厭らしかったですかね(笑)。今回の大館市民文化会館での公演は、宝くじの助成によって開催されるものなのでこの低価格でのご提供となっています。そのかわり会場の八割以上動員できないと、物凄く怒られちゃうのですが・・・(苦笑)。ま、それはさておき、どう考えてもこのミュージカルが一五〇〇円というのは格安ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく。 筆がノッてきたところで紙面が尽きてしまいました。内容についてのご紹介はまた次回ということで。わらび座ミュージカル「棟方志功〜炎じゃわめぐ〜」は11月24日の開催です。皆様お誘い合わせの上でのご来場お待ちしてます。(山)