『イイ席ってなんだろう』 (2006/06/16掲載)

天満敦子さんのヴァイオリンリサイタルまであとわずかとなりました。6月21日(水)19時開演です。愛器「ストラッドさん」で奏でる天満さんの心に染み入る演奏をぜひお聴き逃しなく。チケットはS席三五〇〇円、A席二五〇〇円ですが当日券は前売りよりも五百円高くなりますので、お求めの方はお早めにどうぞ。

 さてチケットといえば、大館市民文化会館でチケットを購入するお客様に「イイ席ありますか?」と聞かれることがあります。実は我々、そう言われるのが一番困るのです。恐る恐る「イイ席といいますと…」と聞くと、怪訝そうな顔で「前のほうの真ん中あたりの席」と言われるのがお決まりのパターンなのですが、極端な話、最良のお席というのは個人の好みによって全く違います。例えば「かぶりつきで観たいから前のほう」という方がいれば、「隣のいない通路沿いの席がいいな」という方、「ステージ全体の観やすいほうがいいので15〜20列目くらいの真ん中あたり」という方もいらっしゃいます。これらはあくまでも一例で、その公演がピアノのソロなのかオーケストラなのか、ロックやポップスのコンサートなのか等々、その内容によっても好みのお席というのは違ってくると思うのです。ちなみに我々ホールのスタッフからすれば16列目〜20列目の真ん中あたりのお席が大館の大ホールの中で音響的に良く、一番観やすいお席だと考えています。ただ、その辺のお席は皆さん「後ろのほうだし…」と嫌がる傾向があるので、それを押し売りする気はありません。それこそ好みの問題ですからね。一応参考までに…ということで。

 結局何が言いたかったのかというとチケットを買う際には、ただ「イイ席ください」と言うのではなく、自分がどういう席で観たいのかを言っていただきたいのです。出来るだけ前のほうでアーチストを近くで観たいのか、舞台全体をしっかり観たいのかなど。そのように言っていただければ、我々も出来る限り、お席選びのお手伝いができると思いますので、お気軽にご相談いただければ嬉しいです。S席やA席は売っていますが、E席というお席は売ってませんのであしからず。

 天満さんのリサイタルに関しては、どのお席でもある程度ホールトーンを感じてイイ音で聴けますので、あまりお席にこだわる必要はないと思います。できるだけみなさんそれぞれの「イイ席」で鑑賞してください。(山)