ゆく年に感謝 くる年に希望を (2012/12/21掲載)


■上方落語のススメ

 そもそも上方落語とは何ぞや?と問われると、関西(上方)の落語のことですなんて雑駁な説明になってしまうのですが、実は上方落語という言葉自体はそれほど古いものではありません。昭和7年7月発行の雑誌「上方」19号に使われたものが最初で、それまで大阪落語、京都落語と呼ばれていたものを、一般に統一して「上方落語」と呼び始めたのは昭和20年代も後半からのことです。一般的に「落語」というと「江戸の芸能」というイメージが強いようですが、歴史を紐解くと、上方落語の歴史は江戸落語のそれよりもやや古く、庶民の間に広く流行した話を集めた笑話集である安楽庵策伝の「醒睡笑」が書かれたのが京都であり、元禄時代には京都で露の五郎兵衛、大阪で初代米沢彦八が活躍しています。その後上方落語は幾多の盛衰を経るわけですが、上方落語四天王と呼ばれた6代目松鶴、3代目米朝、3代目春團治、3代目文枝が昭和30年代以降の上方落語復興に尽力し、その後の2代目枝雀、可朝、仁鶴、文珍、鶴瓶などの活躍、そして2012年の桂三枝の6代目文枝襲名はみなさまの記憶に新しいことと思います。

 などとかなりの端折り方をしつつ、まるで上方落語に精通しているかの如くに書いてしまいましたが、正直に言うと、上方落語には全然詳しくありません。上方落語は数回しか生で聴いたことがないですし。そんな私が上方落語のススメなんておこがましいにも程があるのですが、あえて書いたのにはもちろん理由があるわけで。

 ということで本題の告知です。来年1月27日(日)午後2時開演、大館市民文化会館中ホールにて「おおだて特選落語会特別編・桂三若の秋田情熱ひとり会〜25市町村ツアー〜」を開催します。今回のおおだて特選落語会は、よしもとの「あなたの街に住みます芸人プロジェクト」で秋田に移住した、秋田の初代住みます芸人・桂三若(かつら・さんじゃく)さんをお迎えして開催します。当会としては19回目にして初の上方落語。いつもの江戸の風とは違う、上方の粋をたっぷりと堪能していただけます。皆様お誘いあわせの上、ぜひお運びください。チケットは一律二千円で好評発売中です。市民文化会館をはじめ各プレイガイドにてお求めください。(山)


■ふれあいのピアノマラソン

 16日に開催したピアノマラソン。2001年の冬から始まったこのイベントも、回を重ねて23回。今回は80組83人が出演しました。

 参加者が例年より少ないのは、風邪やノロウイルスの蔓延と県南などの豪雪のため。ただひとりの第1回からの連続出場者O村さんは選挙の立会人になって、ついに記録が途絶えました。残念。

 それはともかく、開演中に少しの時間を見つけて、なるべく出場者の演奏を聴くようにしています。舞台袖で聴くのとはまったく音の印象が違い、ホールの客席で聴くのはいいもんだなあ、とつくづく思います。特に小さい頃から出ている子どもたちの場合、ちょっぴり大人びたなとか、去年からびっくりするほど上手くなったぞ等々、親戚のおじさんみたいな気持ちになります。演奏の巧拙を抜きにして、この子たちが音楽を好きでいてくれればいいなと願わずにはいられません。年配の方が諦めずに最後まで弾ききろうと頑張る姿も、その一生懸命さが羨ましいほどです。いいなぁピアノマラソン。

 職員が多くの出場者と直接触れ合う、このようなイベント的な自主事業は大事だとつくづく感じた2012年のピアノマラソンでした。いつまでも続けていきたいですね。大館のピアノマラソンは最高です。

 それではまた来年、笑顔でお会いしましょう。皆さんどうぞよいお年を。(陽)

追伸 財津和夫のチケット、まだあります。