まもなくスタート 文化会館冬の陣 (2012/11/16掲載)


■ポスターがないと寂しい

 文化会館事務室前の「催物案内」のコーナー。ここにはポスターを2枚だけ掲示できます。一応会館自主事業専用ということにしています。

 共催で開催した11月3日の吉村作治先生の講演会が終わってから1週間ほど、ここにポスターのない日が続きました。自主事業のポスターのない日がそれほど珍しいというわけではありません。年度末から年度始めにかけては、2ヶ月くらいポスターがなかったりします。でも、今頃の季節でポスターがないと、なんか寂しいんですよね。

 今は「昭和名画座」と「財津和夫」の2枚のポスターが貼られていて、また文化会館が動き始めた感じがします。「名画座」は後段をご覧いただくとして、3月30日(土)開催の「財津和夫」はいよいよ12月9日(日)10時発売開始です。どうぞお楽しみに。

 もっとも、ポスターが貼られていないからといって、文化会館が何も自主事業をしていないということではありません。自主事業は舞台公演だけではないんです。大館ジュニアコーラスの練習や高校生イベント企画ワークショップなど、ほぼ毎週事業はあります。ちなみに平成23年度の自主事業の延べ日数は109回で、休館日を除くと3日に1回以上のペースです。


■ジュニアコーラス初の施設慰問

 というわけで、こちらは館外での自主事業、いわゆるアウトリーチです。児童合唱団の大館ジュニアコーラスが初の施設慰問演奏を行います。4月に仙台で開催された「東北復興大合唱祭」に出演し、歌の力・歌による絆を実感したジュニアコーラスの子どもたちが、地域のお年寄りを歌で元気づけようと、釈迦内の成寿苑を明日17日に訪問します。喜んでもらえるよう頑張ります。     (陽)


■冬のお楽しみ、昭和名画座

 往年の名作映画が楽しめる『昭和名画座』。今回は、2月22日(金)から24日(日)までの3日間、中ホールで開催します。

 まずは、松本清張の短篇小説を映画化した『張込み』。東京で起きた強盗事件の犯人を追う若手刑事・柚木とベテラン刑事。追う側と追われる側のやりとりがドキュメンタリータッチでリアルに描かれた、緊迫感溢れる作品です。

 次も松本清張原作の『黒い画集・あるサラリーマンの証言』。部下の女性と不倫関係を続けている平凡なサラリーマン石野。ある日彼は不倫の帰り道に、隣に住む杉山とすれ違い挨拶をしてしまう。ところが、その日に起きた殺人事件の容疑者として杉山が逮捕され、アリバイ立証のため証言を求められた石野だが、不倫発覚を恐れて拒否。だが事件はこれだけではなかった…。保身のためについた嘘により足元をすくわれ、徐々に追い込まれていく恐怖が見事に描かれています。

 そして『白い巨塔』。大学病院の権力闘争劇はあまりにも有名で私が説明するまでもないですが、あの「財前教授の総回診がはじまります」というアナウンスの後、白衣でゾロゾロと大名行列のように病院内を闊歩する姿は、何とも言えない異様な迫力を感じたものです。田宮二郎、東野英治郎、田村高廣など、豪華キャスト陣も見逃せません。

 最後は、水上勉原作の『飢餓海峡』。北海道で強盗殺人事件が発生。偶然にも同じ日に青函連絡船の遭難事故もあり、捜査は難航を極める。しかし、10年後に発見された女性の変死体をきっかけに、事件の全容が少しずつ解明していく。貧しさから罪を犯した男と、貧しさゆえに犯人から受けた恩を忘れずにいた女、どこまでも執念深く追いかける刑事たちの思惑が、複雑に絡み合った見応えのある作品です。

 上映時間は、各日とも10時開始で3本立て、入場料は500円(1日通し券)。チケットは12月5日(水)発売開始です。上映の順番等、詳細は文化会館までお問い合わせください。

 また、館内に喫茶店等はありませんが、昼食を食べるための暖かい部屋をご用意します。昼食や休憩等で外出してからの再入場も可能ですが、ぜひお弁当持参でご来館いただいて、懐かしい映像に青春の記憶が甦る『昭和名画座』を、1日たっぷりとご堪能くださいますように。(工)