詩と歌と声の魅力を愛でる秋へ (2012/09/07掲載)


 桜町通信を書く時一番悩むのは何かというと、最後に全体のタイトルをつけることです。最初からこれしかないって感じで迷わない時もあるんですが、何しろ今回で174回目ですから、前と似たようなのしか思いつかないことが最近は多くて。締切が迫って悩んだ末に本文に関係のないタイトルをつけ、目をつぶって送信をクリックするようなことも、たまにはあります。新聞に載ったのを見るとそういうのが意外に良かったりして(個人の意見です)。


■渡海千津子と仲間たち

 本題の前にひとこと。大館北秋の団員を中心とする秋田声楽研究会合唱団カント・アムゼルが、8月24〜26日に行われた「第35回全日本おかあさんコーラス全国大会」でひまわり賞を受賞しました。ひまわり賞と言われると今一つピンときませんが、大会の最高賞というのですから吹奏楽でいえば全国金賞ということではないですか。それはすごいっ!秋田県から初の快挙。おめでとうございます!

 ということで、9月29日(土)の「渡海千津子ソプラノリサイタル」です。プログラムが固まりました。2部構成で、前半は歌曲、後半はオペラの曲を歌います。

 歌曲は、十八番のホルストとクウィルターに始まり、北原白秋/山田耕筰の日本歌曲を2曲、さらにこのところ渡海さんが入れ込んでいるマルトゥッチの連作歌曲『追憶の歌』から3曲、最後にジョルダーノ「四月が戻ってくる」という、何ともいいラインナップ。特にレスピーギの師でもあるマルトゥッチについては、楽譜を入手するまでの不思議なエピソードが、渡海さんの公式ブログにしるされています。よかったら読んでみてください。

 後半のオペラアリアは、チレア作曲『アドリアーナ・ルクヴルール』から「私は卑しい芸術神の下僕」に、ヴェルディの『アイーダ』から「勝ちて帰れ」、それから合唱をフィーチュアして3曲歌います。合唱団には前出カント・アムゼルの皆さんも参加しています。お楽しみに。

 考えてみれば長崎生まれの渡海さんや東京生まれの斎藤先生と大館とのご縁がつながっているのも、不思議といえば不思議です。もっともお二人の音楽性と人間性に触れた方なら不思議でもなんでもなく、私たち職員もご一緒した合唱団の皆さんも、お二人の魅力にぞっこんなのです。

 開演は2時半。終演後バスに間に合います。料金は、財団法人地域創造の助成によりワンコイン500円という破格の廉価です。ぜひ皆さんもワタルミフィリア(渡海愛好症?)になってください。


■『トスカ』まで27日

 去年の今頃は宝塚の発売で盛り上がっていました。今年もオペラでその再現をと意気込んでいたのですが、思ったほどの盛り上がりには欠けるようで…。イタリア語分からないし、とよく言われるのですが、日本語のオペラだって聞き取れないことがしょっちゅうなので、気にすることはありません。近頃のオペラはちゃんと舞台の両袖に字幕がありますから、イタリア語が分からなくても大丈夫。お芝居と豪華な衣装、そして何より選りすぐりの歌手・合唱団の歌声をお楽しみください。「妙なる調和」、「歌に生き恋に生き」、そして「星は光りぬ」といったオペラアリア史上に燦然と輝く精華が皆様をお待ちしています。

 なお、文化会館主催事業ではプレミアム商品券も使用できます。どうぞ一般券をご利用ください。(陽)


■まもなくゴング

 いよいよ近づいてきました「詩のボクシング第4回秋田大会」。9月15日(土)13時から「詩のボクシングワークショップ」、15時30分から「詩のボクシング第4回秋田大会」を、それぞれ大館市民文化会館中ホールにて開催いたします。今回は今のところ高校生のエントリーが中心で、過去3回の秋田大会とは少し色合いが違う大会になりそうですが、まだ参加者募集中ですので、一般の方のご参加もお待ちしております。ワークショップのみ、大会のみの参加も可能です。もちろん大会は観戦することもできます。全席自由席で入場料金は500円。詳しくは大館市民文化会館49−7066までお問い合わせください。(山)