(2012/07/21掲載)


 いよいよ夏本番、かな?

 「四万六千日、お暑い盛りでございます」といえば、これはもう黒門町こと八代目桂文楽の「船徳」の名せりふ。ほおずき市のニュースが流れる頃になると、ついつい聴いてしまいますね。刈り込んだ噺の中に江戸の夏をほうふつとさせる、世評通り、やはり絶品です。夏に聴きたい音楽もいろいろありますが、クラシック畑でいうと、個人的には何といっても「オーヴェルニュの歌」。フランス中央高地の爽やかな風が感じられて大好きです。行ったことないけど。


■4日連続自主事業!

【その1】 7月13日に、「詩のボクシング第4回秋田大会」のプレイベントとして高校生対象のワークショップを実施しました。各校の演劇部や文芸部など、言葉を相手に伝えることに興味をもっている(と思われる)生徒さんに呼び掛けたところ、やっぱり高校生は忙しい、演劇部は大会直前で無理とのこと。それでも大館鳳鳴高校文芸部と大館国際情報学院高校文芸同好会から計18人の参加をいただきました。最初の内はとまどいも見えた高校生たちでしたが、短い自分の作品を朗読して対戦する、つまり詩のボクシングの模擬試合をすると俄然白熱して、なかなか面白い戦いになりました。高校生もやるじゃないですか。9月の大会が楽しみです。

 ちなみに、7月8日に行われた前期「詩のボクシング」全国大会では、決勝に進んだ2名がいずれも秋田県出身者という快挙が。その辺は担当から改めて。

【その2】 続く14日には、18回目となる「おおだて特選落語会」を開催しました。出演はおなじみ柳家喬太郎と初登場の橘家文左衛門という油の乗り切った二人。と書くと体型の事だと誤解されそうですが、でも別に誤解というほどでもないわけで、ま、ともかくみっちりとそれぞれ2席ずつ。喬太郎さんが珍しく2席とも古典を選んだので、「錦の袈裟」「お菊の皿」(以上喬太郎)、「笠碁」「試し酒」(文左衛門)と、お客さんは古典落語をたっぷり堪能したことでした。いつも市外・県外からの来場者がアンケートに書かれるように、大館の人は幸せだと思いますよ、ほんとに。

【その3】 引き続き15日と16日には「オペラの合唱曲を歌うワークショップ」がありました。指導はこれもおなじみの斎藤育雄と渡海千津子のご両名。お二人にとって3年振りの大館ですが、斎藤先生の指揮指導には更なる自信がみなぎり、渡海さんの歌声も一段と技術と魅力を増していて驚きました。藝大卒のお二人に対して生意気な感想で、すみません。初日はワークショップに参加するかどうか決めかねて見学で来ていた人もいましたが、初日が終わる時には皆さん迷いなく参加を決めていました。ふだんコーラスに縁のない人も参加して楽しそうに歌っているのを見るのは、いいものです。

――というようなわけで、4日連続自主事業の報告でした。以前3日連続自主事業があって、以後こんなバカなことはしないように気をつけようと誓ったはずなのに、ワークショップが多いとはいえ、4日連続という大バカをしてしまいました。楽しかったです。

 合唱ワークショップと詩のボクシング秋田大会は、参加者・出場者を募集中です。合唱はソプラノとアルトの女声のみで、9月29日(土)の「渡海千津子ソプラノリサイタル」で3曲共演します。詩のボクシングは9月15日(土)に第4回秋田大会を行ないます。当日は大会前にワークショップもありますので、どんなものか分からなくても大丈夫。毎回初めての人が出場して大健闘しています。詳しくは文化会館(電話49・7066)へお問合せを。


■24日は「トスカセミナー」

 前回も書きましたが、来週の24日(火)夜7時から、オペラ「トスカ」の事前セミナーを開催します。講師は、60年代からウィーンに住み、オーケストラの奏者(ホルンとヴィオラというのがなんか凄いです)を長く務め、今はプロデューサーとして活躍している杉本長史氏です。本場での長年の経験と見聞から語られる本場の音楽事情、「トスカ」の楽しみかたを知ってからオペラを観ると格別です。チケットを購入していない方でも歓迎です。事前申し込みも必要なし。無料です。どうぞお運びを。(陽)