感謝をこめて、トスカ&渡海千津子明日発売! (2012/07/06掲載)


 明日7日(土)9時より、市民文化会館自主事業2本のチケットを同時発売します。オーストリア・バーデン市劇場のオペラ「トスカ」、そしておなじみ「渡海千津子ソプラノリサイタル」。地域創造の助成をいただいて、どちらも異例のお求めやすさです。オペラは2千円から1万円、渡海さんはなんと1コイン、一律500円です。文化会館開館30周年と文教振興事業団創立15周年を記念しての特別価格。皆さまどうぞお早めに。


■オペラの真髄『トスカ』

 あるオペラのラストは、ヒロインが城壁から身を投げるシーンで終わる。舞台係はわがままで意地悪なプリマドンナにいたずらしようと城壁の下にトランポリンを置き、あわれ命を落とすはずのプリマは何度も何度も城壁の向うから顔を出すはめに。観衆の涙を誘うはずのフィナーレは爆笑の渦となった……というお話はオペラのエピソード集によく出ている笑い話。でもこれって本当のこととは思えませんね。トランポリンって、跳ぶ気がなければ大して跳ね上がるものではありません。それはともかく、このオペラはどうみても「トスカ」。1900年に初演されたプッチーニの傑作です。

 1600年の最初のオペラから400年余り、これまで何千というオペラがつくられました。その中で初めての方にお勧めなのは、いくつかのガイドを参考にすると、喜劇ではモーツァルトの「フィガロの結婚」かオペレッタですがJ.シュトラウスの「こうもり」、悲劇ではヴェルディ「椿姫」とプッチーニの「トスカ」といったところがどうやら鉄板のようです。

 「トスカ」を薦められる理由は、ストーリーが分かりやすく見せ場が多い、登場人物が魅力的、人気のある歌が多い、舞台の魅力がある、という4点にあります。

 「オペラは、愛するソプラノとテノールを、バス(とアルト)が邪魔をするお話」という乱暴な説がありますが、「トスカ」はまさにその通りのストーリー。登場人物も、トスカの純情さと一途さに対しスカルピアの悪役振りが絶妙の対比をなします。歌は、第1幕「妙なる調和」、第2幕「歌に生き、恋に生き」、3幕「星は光りぬ」などそれぞれの幕に聴きもののアリアがあります。さらに物語は1800年のローマですが、今も実在する教会・宮殿・そしてローマのシンボル的存在のサン・タンジェロ城がオペラの舞台となっており、実際にそれらの場所で撮影された「トスカ」のDVDもあります(文化会館にもあります)。

 とにかく、バーデン市劇場のオペラ「トスカ」は10月3日(水)午後6時半開演です。大館初の外来オペラ公演、初のトスカをお見逃しなく。


■オペラセミナーあります

 それでもオペラなんて観たことないし、敷居が高そうだと思っている方のために、事前セミナーを開催します。セミナーとはいっても楽しくお話を聞くだけ。しかも無料です。ウィーン在住の音楽家・プロデューサーの杉本長史氏が、長年の体験を元にオペラの愉しみ方やトスカの魅力を熱く語ります。チケットを買った方も、迷っている方も、買う気のない方も歓迎です。中ホールで、7月24日(火)午後7時より約1時間。事前申込みも必要ありません、ぜひ。念押しで、無料です。


■バックステージツアーやります

 それからもうひとつ、大館公演には大きなプレゼントがあります。大館初の外来オペラ公演の舞台裏を垣間見るチャンス、バックステージツアーの開催です。こちらは10月3日(水)午後3時から約30分、つまり本番直前の舞台裏を公開します。こんなデリケートな時間帯なので、さすがに誰でもという訳にはいきません。定員はチケット購入者で申し込みのあった方から、抽選で選ばれた25名に限らせていただきます。申込期間は7月8日から8月末日まで。詳しくは文化会館まで。


■自主事業がいっぱい

 トスカで引っ張りすぎたというか、書くことがありすぎるというか、スペースが残りわずか。以下ごく手短に。

@「渡海千津子ソプラノリサイタル」は9月29日(土)午後2時半開演。リサイタルへの我々の思いの丈は改めて。渡海さんと歌う女声合唱団の参加者募集中。楽しいよ。

A「詩のボクシングワークショップ」7月13日(金)。高校生対象です。ことばを確実に相手に伝える術を伝授します。参加者募集中です。文化会館にお問合せを。

B「おおだて特選落語会」好評発売中。喬太郎さんを何度も聴ける大館の人は幸せだ、とよその人たちが言っているのを、皆さん知ってます?

C「第22回ピアノマラソン」ただいま参加者募集中。あなたも憧れのスタインウェイで演奏してみませんか?受付締切は、今月の16日まで。(陽)