立川志らく独演会、発売しました (2012/02/04掲載)


■PONTE4号出ました

 高校生がつくるフリーペーパーPONTEの第4号が完成しました。今回はバレンタイン特集。低予算の手づくりチョコに挑戦しました。その他、冬に読みたい本の特集など小さな紙面にいろいろ詰め込んでいます。これまで同様市内高校生への全員配布に加え、今回は市内全中学生にも配布しました。その他、公的機関、ショッピングセンターや書店など各所に置いています。中高生以外の皆さんもぜひご覧ください。

 ポンテ編集部は現在6名。1名を除き今回からの参加です。興味のある高校生はぜひ遊びに来てください。毎週金曜日の夜7時からミーティングを行っています。お問合わせは大館市民文化会館(49−7066)まで。 (陽)


■落語が描く非日常を

 以前、この桜町通信で「落語が好きなのは癒されるからだ」なんてことを書いたことがあるような気がします。落語を聴いていると、いろんなことがどうでもよくなってくるとかなんとか…まぁ落語が好きな理由なんてものは人それぞれですから、反論は様々あるでしょうけれども、私としてはそう思っているというお話で。

 最近、立川志らく「落語進化論」を読みました。その中に、「落語の目的は泣かせることでも笑わせることでもなく、この芸能でしか表現できない世界を客に体感させてこそ落語であり、我々が表現すべきなのは非日常、非常識の空間である」というようなことが書いてあったんですが、それを読んだときに、自分が落語を好きでいる理由がなんとなく見えたような気がしたのです。要するに落語を聴いて「癒されている」気になっていたというのは、落語が描く…というより、落語家が身体ひとつで描き出す非日常、非常識の世界によって現実逃避していたからなんじゃないかと。現実逃避っていうと何やら聞こえが良くないですけれども、今の世が特別に生き辛いかどうかは別として、生きていると嫌なことや辛いことがたくさんありますから、落語で現実逃避するそんなカンジが凄く心地よく感じられることは不思議でもなんでもありません。という話の流れから、本当は「落語って結構いいもんですよ。一度聴いてみませんか?」ってなことを言いたかったんですけれど、ここまで書いてきて、非日常に癒されるカンジが良くて落語が好きなのか、そもそも落語が好きだから癒されているのか、段々わからなくなってきてしまったのでもうやめます。そんな理屈なんてどうでもいいですから、単純にもっと落語好きが増えたらいいなぁと思うのです。そうすれば落語会にお客様がたくさん集まるようになって、地方でも落語会がもっともっと増えるのになぁと。まぁ、個人的な願望ですけどね。今まであまり落語に興味が無かったという人たちにも、一度でいいから落語体験をしてもらいたいと思います。そしてその初めての落語体験が素晴らしいものであってほしいと願っています。

 とりとめもないマクラはこれくらいにして、ここからが本題。前回の桜町通信でも書きましたが、当館落語会の告知です。今回は「おおだて特選落語会17〜立川志らく独演会〜」と題して、3月24日(土)18時30分開演、中ホールでの開催です。出演は前段でも登場した立川志らくさん。昨年惜しくも亡くなった5代目立川談志の弟子の中でも、談志の狂気的センスを最も色濃く受け継いだと言われる鬼才です。映画や演劇など演出家としても活躍、シネマ落語という独自の世界を構築するなど、各方面で評価の高い落語家で、その高座は間違いなく一見の価値ありです。ちなみにシネマ落語については、河出書房新社から「シネマ落語」という本が出ていますから、興味のある方はどうぞ。そんな志らくさんですが、今回は独演会ということで、志らくワールドを存分にたっぷりと堪能できる高座になること間違いありません。乞うご期待です。チケットは好評発売中。当日来たけど売切れて入れなかった…なんてことがありませんよう、お求めはお早めにお願いいたします。

 最後に5代目談志の言葉をひとつ。「落語は逃げちゃった奴等が主人公なんだよ。人間、寝ちゃいけない状況でも眠きゃ寝る。酒を飲んぢゃいけないと分かっていても、ついつい飲んじゃう。昼間から寄席で油売ってる奴なんて禄なもんぢゃない。でもな、努力して皆偉くなるなら誰も苦労なんかしない。努力しても偉くなれないから寄席に来ているんだ」(山)