文化会館三十周年の年明けに (2012/01/06掲載)


 明けましておめでとうございます。今年も大館市民文化会館と桜町通信をよろしくお願いします。

 年初の本欄ではこれまで各自の年頭の誓いを載せてきましたが、身の丈に合わないことはやめて、今年は我が国の短詩型文学に取り組みます。こちらの方がよほど身の程知らずのような気もしますが、出来はともかく、ま、縁起ものということで。


ありがとう 感謝の気持ちを伝えたい 文化会館今年で三十歳〈さんじゅう〉 (工)

ブログ記事スラスラ書けた夢だった
頑張るぞ気持ちうらはら足もつれ (貝)

片付けても片付けても書類〈かみ〉の山
にこやかに交わす言葉ははきはきと (成)

わたしでなくほかの人にということば 被災者にみるみちのくの誇り (陽)

わきまえて驕らず騒がず羨まず 心静かに我が道を行く
ことしこそ満席夢見る落語会 そしていずれは毎月開催 (山)


■いろいろありましたが

 昨年10月以降、吉田正記念オケに始まり、ゲーデSQ、宝塚花組、一青窈、弘大津軽三味線、第21回ピアノマラソンと怒涛の自主事業ラッシュを乗り越えてきた大館市民文化会館ですが、今年は年始の敷地内除雪も比較的スムーズに終え、穏やかな年明けを迎えました。宝塚(2公演)、一青窈、三味線と3本立て続けに大ホールを満席にしたというのは、東京のホールならいざ知らず、地方のホールとしてはこのご時世なかなか無いことだよなぁ…としみじみ昨年を振り返っていたところでした。

 そういうこともあってか、近年、大館市以外のお客様からは「大館はいろんな公演があって凄いね」との評価を受けることが多くなりました。本当に有難いことだと思います。ところがその反面、地元大館のお客様からは「大館は公演が少ない」と酷評されることも多々あるという状況に日々悩んだりもするわけですが。まぁ、地元に対しては多少辛口になるものですが、そんな声にもめげずに頑張っていこうと思います。本年も大館市民文化会館をよろしくお願いいたします。

 さて、昨年最後の桜町通信では弘大津軽三味線サークル大館公演について、色々と問題点が浮き彫りになったことを館長に書いていただきましたが、何も問題だらけの公演だったわけではありません。お陰様でチケットは完売し、お客様から満足の声も多く聞かれた、むしろ素晴らしい公演でした。個人的には、学生たちの「若さ」や「ひたむきさ」に胸ぐらをギュッと掴まれるようなカンジがして、人の心を動かすのは演奏技術云々ではないんだなぁと改めて思わされた舞台でもありました。主催者として、ご来場いただいた皆様、そして素晴らしい舞台を創ってくれた三味線サークルの学生たちに、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。(山)


■新年を名作映画とともに

 私が子どもの頃、もらったお年玉で封切りの映画を観に行くのが正月の特別な楽しみでした。それが今は正月映画という言葉もあまり聞かなくなり、なんとも寂しい感じがするのは私だけでしょうか。

 かく言う私もすっかり映画館からは足が遠のき、もっぱらお酒を飲みながらDVDで…なんていうのが主流になってしまいましたが、やっぱり映画館で観る迫力と感動には遠く及びません。映画館のガラス張りの窓口で入場料を払い、小走りにグッズ売場へ行ってパンフレットを買い、そして少しのお菓子と期待を胸に扉を開ける、あの何とも言えないワクワク感。なんかもう一連の動作全てが映画の一部という感じで凄く好きなんですよ。やっぱり、映画は映画館に限りますね、本当。

 ということで、今月の20日(金)〜22日(日)に開催される昭和名画座。いずれも10時上映開始で入場料は500円(1日券)。会場は中ホールです。「戦争と平和」「安城家の舞踏会」「蜂の巣の子供たち」「帰郷」の中から1日3本ずつ順番を変えて上映いたしますので、どうぞお楽しみに。(工)