会館のちょっとした悩み (2011/11/18掲載)


■昼か夜か?

 文化会館の夜の催しは、だいたい午後6時半とか7時位に始まります。で、時々見かけるのが、公演がいよいよ佳境に入ろうかという8時とか8時半頃、そそくさと会館を後にする人の姿…。公演がつまらないというのならわかりますが、その多くは帰りの足がなくなるからという理由なのです。ちなみにJR奥羽本線の下りの最終は大館駅午後9時13分発、上りは8時56分、花輪線に至っては8時10分です。バス利用だともっと早くて5時台か6時台。車を持たない人は、文化芸術に触れたいと思っても厳しい環境にあるのです。多くの人が結局鑑賞をあきらめることは文化会館としても残念なことで、昼公演をなるべく増やすようにしています。

 開演時間の設定はなかなか難しくて、土日でも仕事があるから夜公演がいいという人がいます。反対に前記の理由で、たとえ平日でも昼公演にしてほしい人も多いのです。また、開演時間に関しては出演者の都合もあります。ツアーの場合は、設営時間や大館入りの時間によって夜公演しかできない場合が多く、今年でいえば読売日本交響楽団は移動の都合で、日曜日なのに夜しかできませんでした。この公演はマチネ(昼公演)ならもっと多くの方に観ていただけたはずです。ということで、結局公演の開催時間については、主な設定客層を中心に考えつつも、諸般の事情を勘案しながら決めていくしかない、と何だか玉虫色になってしまいます。悩ましいですね。

 今月6日の宝塚花組と13日の一青窈はどちらも満員の盛況でした。宝塚は1回目が昼12時で2回目が4時半開演、一青窈は5時半と、早めの時間設定だったせいもあるのでしょうか、お蔭様ですべて満員の盛況でした。近くの方も遠くからの方も、ご来場ありがとうございました。


■駐車場は誰のもの?

 文化会館と中央公民館の駐車場は市のもの、つまり市民のものです。だからといって許可なく自分の家の駐車場代わりに使ってもらっては困ります。仕事場の駐車場代わりに使うのもお断りです。駐車場はあくまで文化会館や公民館等に来る人のためにあるのです。もう一つ、ひんぱんに悩ませられるのが、団体のバス旅行や観光施設などのバスが発着場として駐車場を使うことです。ひどい時は職員が出勤する前に駐車場の3分の1位が車で埋まっていて呆然とさせられます。このままでは利用時間以外の施錠を検討せざるを得ません。

 駐車場は文化会館が管理しています。管理者としてお願いします。勝手に車を置いていかないでください。必ず文化会館に前もって連絡し了承を得てください。大きな催しのある時はお断りすることがあります。

 実は文化会館としてはとっておきの秘策もあります。それは、満員になるような自主事業を極力避けることです。もちろん冗談ですが、でも笑えない冗談ですね。(陽)


■2匹目のドジョウ

 先月末の吉田正記念オーケストラの公演の際、指揮者の大沢氏が「この公演は宝くじの助成があって前売千五百円というお値段です。もし来年我々がまた大館に来れたら、五千円のチケットでもみなさんご来場いただけますか?」と問いかけました。これに対して、千人近いお客様が満場の拍手で応えたのですが…その拍手を聞いて私が思ったことを正直に言います。本当に来年吉田オケの公演があったとして、実際に会場に足を運ぶのは、拍手したお客様の半分以下なんだろうなぁと。

 大館市民文化会館のイベント企画に携わる人間として、大館で同じ公演を続けることに、実は大きな不安を持っています。拍手のエピソード然り、公演時のアンケート結果然り、公演直後は「また観たい」「また公演してほしい」という声が多いにもかかわらず、集客の面で2度目の公演が1度目を上回ったことはほぼありません。もちろんお客様の反応を疑っているわけではありませんが、そういう過去の実績があるからこそ、なかなか不安は拭い去れないでいるのです。

 そんな中、今まさにその不安に苛まれているのが12月11日(日)14時30分開演の「弘前大学津軽三味線サークル大館公演」。昨年度とはいえ、今年の2月に開催したばかりですが、前回満席で入れなかったお客様が多数いたこと、アンケート等で再演の希望が強かったことから、再演が決定したものです。2月の公演では、当日券が4百枚以上売れるという前例のない事態となりました。願わくば今回も、2度目の公演は入らないという前例を打ち破ってほしいものと思います。学業の傍ら頑張っている学生さんたちのためにも、たくさんのお客様にご来場いただければ幸いです。チケット好評発売中。大館市民文化会館までお問い合わせください。(山)