10月は吉田正記念オーケストラ (2011/10/07掲載)


■読響、好評でした

 9月25日の「読売日本交響楽団」、いかがでしたか。

 何事にも辛口のコメントを吐く知り合いが、「あまり期待していなかったけど、すごく良かった。とくに音のきれいなのに驚いた」と失礼にも言っていた宮本笑里さんのヴァイオリン、良かったですねぇ。そして、大館初のブラームス交響曲第1番。あれほどブラボーの声が多くかかった演奏も大館では実に稀です。ということで、演奏については大成功でした。

 肝心の集客はというと、これもまあ成功でしょう。当館のオーケストラ公演は長らく800人台前半というのが続いており、クラシックの客数は人口の1%というあまり根拠のない俗説を心ならずも裏付ける数字だったのですが、今回本当に久しぶりに900人を超えました。盛岡で1000人だったそうですから、まあ良しとしなければなりませんが、できることなら大館も1000人を超えたかった……。

 クラシックのコンサートで配布している当館オリジナルの「初心者のためのクラシック鑑賞マナー入門」も相変わらず喜ばれています。とくに市外からのお客様に好評で、今回もいくつかお電話をいただきました。「県庁所在地でのコンサートはマナーがなっていないので、これからは大館に行くことにする」と言ってくれた男鹿市の方、ほんとに来てくださいね。

 もうひとつ今回大成功だったのが、募金活動です。東日本大震災で楽器を流されたり壊されたりした学校が数多くあるわけですが、そういった学校の楽器を修理したり、新しい楽器を寄付したりしているNPO法人があります。主催に名を連ねる公益財団法人日本交響楽振興財団がこの運動に賛同し、今回のツアー会場でも募金活動をしました。で、大館の募金額がダントツに多かったのです。どうやら会館職員の呼び掛けが奏功した模様で、わざわざ出口付近から戻って募金する人もいたり、皆さん快く募金に応じていただきました。当館の男性職員は皆、デパートやスーパー、居酒屋などで働いたりアルバイトをした経験者で、呼び込みが嫌じゃない、というか結構好きなんです。他ではそういうことはなかったらしく、ひょんなことで大館の面目を保った次第。それはともかく、何よりも皆さんのご協力に感謝します。ありがとうございました。


■今月は吉田正記念オーケストラ

 10月の文化会館自主事業は吉田正記念オーケストラの1本だけです。この何年か秋のシーズンには月2〜3本の公演があたり前のようになっているので、私たち職員も今年の10月は事業が少ないような気になってしまいますが、もちろんそれは大きな間違いです。何十万の人口があるとか事業費が5千万とか億単位という恵まれた環境にあれば好きなように事業を組めるでしょうが、当館の事業費では普通の文化会館なら年間に3つかせいぜい5つくらいの事業を行うのが関の山なのです。そういう中で毎年20前後の自主事業を組むことがいかに大変なことか……というような他人の自慢話は嫌いな人も多いので止めといて、何の話でしたっけ。そうそう吉田正オーケストラでした。

 50代半ば以上の方なら、フランク永井の「有楽町で逢いましょう」(昭和32年)や三田明の「美しい十代」(38年)はほぼ全員が知っていると思います。それでは「街燈」(33年)という曲はご存知でしょうか。私は知りませんでしたが、三浦洸一の歌だそうです。カラオケ好きなある女性に聞いたら「時々歌うよ」と軽く答えましたから、もしかして良く知られた曲なのでしょうか。

 とにかくこの3曲が「吉田正合唱組曲」というメドレーになっていて、女声3部合唱が入ります。大館公演では、市内の女声合唱団からの選抜メンバーが歌います。合唱参加者は広く公募する予定でしたが、舞台の制約上人数に限りがあり、すみません、狭く公募してしまいました。会場の方も一緒に歌ってくれて構いませんからね。

 本格的なオーケストラを楽しみながら、肩肘はらずに気軽に歌えたりするこのコンサート。やっと動きが出てきましたが、まだチケットあります。宝くじの助成によって大人1500円という低料金です!10月29日、土曜日の午後2時開演ですから、終了後まだバスのある時間です。どうぞいらしてください、お待ちしています。 (陽)