秋シーズン スタート (2011/09/02掲載)


 9月。台風の季節でもありますが、いよいよ芸術の秋の幕開けでもあります。ということで、この秋の文化会館自主事業をおさらいしておきましょう。

【9月】17日(土)「おおだて特選落語会―入船亭扇辰・春風亭百栄二人会」/25日(日)「読売日本交響楽団」

【10月】29日「吉田正記念オーケストラ」

【11月】3日「ゲーデ弦楽四重奏団」/6日(日)「宝塚花組大館公演」/13日(日)「一青窈TOUR2011“瞬き”」

 こうやってみるとなかなか壮観、というか当館では稀にみる豪華ラインナップです。
 それでは9月の2公演のご紹介をどうぞ。


■秋の夜長は落語で

 節電の夏、熱中症の夏…電気予報なんて言葉も登場していろんな意味で暑苦しかった夏もあっと言う間に過ぎ去って、朝夕の風が秋の気配を感じさせるようになりました。大館は神明社の祭典を迎え、季節は本格的に秋へと向かうわけですが、大館市民文化会館も芸術の秋、怒涛の自主公演ラッシュに突入しようとしています。その先陣を切るのが9月17日(土)19時開演の「おおだて特選落語会16」。秋の夜長を粋に江戸前の芸で過ごしてみてはいかがでしょうか。

 さて、16回目となる今回は、お馴染み入船亭扇辰(いりふねてい・せんたつ)さんと、初登場の春風亭百栄(しゅんぷうてい・ももえ)さんの両名を迎えての開催です。

 当会3回目の登場となる扇辰さんは、大館でも御馴染みの柳家喬太郎さんと同期で、職人風の風貌と大店の旦那のような物腰が醸し出す古風な佇まいは、まさに江戸前の薫りのする噺家さんです。美しい口調と端正な高座姿で古典をじっくりと聞かせる正統派の落語を存分に堪能できる高座になると思うので、古典ファンは必見ですよ。

 対して当会初登場の百栄さん。マッシュルームカットで高座に上がるや「早く人間国宝になりたいっ!春風亭百栄です」と言い放ち、「マザコン調べ」や「天使と悪魔」など独自の新作路線を突き進む百栄さんは、江戸前の粋とは対極の芸人さんといえるでしょう。これだけ読むとヘンテコな色物落語家と思われがちですが、実は古典も上手く、人気実力ともに急上昇中の注目株です。そんな顔合わせの二人会ですから、古典派、新作派どちらのお客様にも満足いただけること請け合いです。ぜひ皆様お誘いあわせの上お運びの程ご案内申し上げます。

 チケットは全席自由。大人2000円、高校生以下500円(当日各500円増)で好評発売中です。お求めお問合せは大館市民文化会館0186−49−7066まで。(山)


■ブラームスはお好き?

 大方の人にとってブラームスといえば、音楽室で見た、豊かなヒゲを蓄えたでっぷりした肖像画を思い起こすことでしょう。でも、若いころのブラームスはシャイな美青年だったんですよ。若いころのブラームスの肖像を図書館か文化会館で見てみてください、びっくりですから。同じようにブラームスの音楽も、ベートーヴェンの衣鉢を受け継ぐ重厚なドイツ音楽の正統な後継者というイメージが強いですが、ロマン派の時代らしい抒情的な旋律も結構書いています。

 交響曲第1番といえば普通は若書きの、自分の音楽がまだ確立していないような作品が多いものですが、ブラームスは違います。もう、ケチのつけようのない大作。何しろ構想から20年かけてやっと43歳で完成した作品ですから。ベートーヴェンの9曲の後に交響曲を作曲することは、ブラームスにとってそれほど重い作業だったわけです。この素晴らしい交響曲は、でも重いばかりではありません。時折、若き日のロマンチスト・ブラームスが顔を出して微笑んでいるような旋律も随所に散りばめられています。

 何を言いたかったかというと、ブラームスとか難しそう…と思っている人がいたら大きな間違いだよ、と言いたい訳です。初っ端のティンパニの連打など、のだめカンタービレの真澄ちゃんなら泣いて喜びそうな見せ場だし。

 というわけで、9月25日の読売日本交響楽団大館公演、チケットまだあります。日曜日ですが移動の関係で18時30分開演です。それから、一般4000〜2000円、学生(小〜大)がその半額という料金も普通じゃありません。ということで、ぜひ。(陽)