最後の都響大館公演の話 (2011/03/04載)


■扇田小がアンコンで快挙!

 2月13日に酒田市で開催された全日本アンサンブルコンテスト第38回東北大会の小学校の部で、扇田小学校の金管5重奏が金賞を受賞しました。いやあ、ついにやりましたね。小学校は全国大会がないので東北が最後、つまり最後まで勝ち切った訳です。この十数年、扇田小学校は学校保護者が一体となってマーチングバンド部の強化に取り組んできました。マーチングでの東北大会出場といい、今年は見事に花開いたように思います。バンドの皆さん、それに今年度で確か勇退の吹奏楽部出身米澤校長はじめ関係者の皆さん、おめでとうございます。他の学校も力をつけてきているようで、ここからさらに大館の吹奏楽が底上げされることを、皆さん楽しみに待ちましょう。


■津軽三味線大盛況でしたが

 2月20日の「弘前大学津軽三味線サークル大館公演」、おかげ様で満員の盛況になりました。当日券を求めるお客様が400人にも達し、当日券の約250枚に加え立見席を出しても100人くらいの方に聴いていただけませんでした。これまでの当日券販売は最高でも150枚程でしたから、完全に読み違いでした。入れなかった方の中には、電話での問合せに文化会館が当日でも大丈夫ですと答えた方、秋田市や県南からいらした方などもいて、本当に申し訳なく思います。前売りと当日券が同額というのも良くなかったですかね。接客やスタッフの配置などいろいろ反省すべきことがありました。次の機会にはきっと改善しますので、どうかご理解のほどお願いいたします。


■都響公演まであと5日

 9日(水)の都響、いよいよ迫ってきました。「都響大館公演の話」もこれが最後です。今回は話題の落穂ひろいといった感じでいきます。

(その1)ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調。若きショパンのロマンティシズム全開の曲ですね。第1楽章の副主題が「北の宿から」に似ているとよく言われますが、どうなんでしょう。それほどでもないと思いますが。それよりショパンでいえば、似ているというよりまるきり同じといってよいのが、「幻想曲ヘ短調作品49」と中田喜直の「雪の降るまちを」の冒頭です。ま、いただいても構わないんですけどね。とっくに著作権切れだし。ベートーヴェンも「エリーゼのために」が何回かほぼそのまんまでポップスになってたりします。

(その2)ベートーヴェンは若い頃まず即興演奏の名手として名をあげましたが、貴族のサロンなどでピアニスト同士が即興演奏で腕を競うということがよくありました。相手の曲をモチーフに、自分の方がもっと上手に展開できるよとテクニックを見せびらかしたりするわけです。ベートーヴェンは相手の曲の楽譜を上下逆さまにして、その逆さまの音型から変奏曲を弾いたりしたことも。この侮辱に相手は憤然として出て行ったそうで。そんなベートーヴェンが「田園」で田舎の自然や農民たちを描いたり、「第九」で人類愛を歌い上げたり…。ベートーヴェンさん、いろいろ面白いです。

(その3)小林研一郎はいわき市生まれ、小山実稚恵は仙台生まれで盛岡育ち。そう、二人とも東北人です。日本を代表する指揮者とピアニストが東北出身というのは、うれしいじゃないですか。応援したいですよね。ねっ。

 ところで、一度聴いてみたいけどクラシックは敷居が高くて…という方、会館主催のクラシック公演にはそういう方のための強い味方があるのです。毎回プログラムに挟み込んでいる「初心者のためのクラシック鑑賞マナー入門」がそれ。気を使う拍手の仕方をはじめ周りに迷惑をかけない鑑賞法を説明していて、毎回好評をいただいています。クラシックから得られる感動は、ことばの介在が少ないだけにより純粋なものになるしいつまでも心に残ります。そういう一生モノの宝物を得られるのは、やはり生演奏に限ります。今回の都響は曲目からいってもクラシック入門に最適。初めて聴くなら最高のものを選ぶ。これも大事なポイントですね。

 ということでおなじみのフレーズ、チケットまだあります。当日券を求める人が津軽三味線と同じなら買えない人も出てきますので、ぜひ前売券をご購入ください。当日券は500円高いし。電話予約でも結構です。祈るような気持ちでお待ちしています。本日のタイトル、最後の「都響大館公演の話」が「最後の都響大館公演」の話になりませんように……。 (陽)