祈りの夏、祈りの音楽 (2010/08/06掲載)

内緒ですが文化会館の敷地内にキジがいます。春からしばしば目撃されていましたが、どうやらつがいだったようです。数日前、敷地内の植栽の間を歩くメスのキジ……の後ろに、おやまあ、茶色い子キジが3羽。野生のキジなのであまり近寄れませんが、遠目にもマジかわいいです。運が良ければ朝方とか皆さんも見られますよ。文化会館は街中にあると思っていましたが、キジにとってはそうでもないのかな。


■被爆ピアノ朗読コンサートのこと

 夏真っ盛りというのに長いこと夜空に星を見ていなかったなぁと、4日の星空を見て思いました。蠍座の見える季節の夜空は、宮沢賢治の「双子の星」を思い起こさせ、同時に賢治と妹トシの絆を思い起こさせます(賢治を語ると長くなりそうなので以下省略。気持ちの上では次の段落とつながっています)。

 今日は65年前に広島に原爆が投下された日。夏は、多くの命を奪い肉親の絆を断ち切る戦争を、核兵器の悲惨さを考える季節でもあります。日本人なら一度は広島の原爆資料館へ行き、原爆のもたらす災禍を見ておくべきだと小畑市長が言っていましたが、賛成です。

 小説や絵本や詩、そして音楽も、戦争を考える手立てになります。8月11日(水)18時30分開演の「被爆ピアノと朗読コンサート」は原爆を浴びながらも生き残ったピアノに、朗読や合唱などが加わって2時間のステージを繰り広げます。

 プログラムは盛りだくさんです。調律師の矢川光則さんと出会うまでの被爆ピアノの来歴を絵本にした「ミサコの被爆ピアノ」の、飯島晶子による朗読とピアノのコラボレーション。谷川俊太郎の詩に三味線の人間国宝杵屋巳太郎が曲をつけた「原爆を裁く」「5月のひとごみ」は、杵屋の三味線と谷川賢作(谷川俊太郎の子息で日本アカデミー賞受賞作曲家・ピアニスト)のピアノ、それに合唱を加えて演奏されます。加えて、第2次世界大戦最後の空襲となった土崎空襲を題材にした「はまなすはみた」の朗読。被爆ピアノをテーマにした秋田市の小学4年生佐藤優奈さんの自作曲演奏。他にも「にほんごであそぼ」でおなじみのヴォーカリストおおたか静流(サイコーです!)、地元からは大館ゴスペルクワイヤ“ジョイフルシンガーズ”や大館ジュニアコーラス・大館一中合唱部などなど、盛りだくさんの出演者とプログラムでお送りします。そうそうたる音楽家がジャンルを超えて集い各地で大勢の観客に感動をもたらした、楽しみながら平和を考えるコンサートです。ぜひご覧ください。前売料金は一般2500円、高校生以下1000円、チケットまだあります。 (陽)


■届け!みんなの胸に…。

 今年もやってきました『夏のピアノマラソン』。いよいよ明後日、8日(日)午前10時開演です。
ピアノマラソンをご存じない方のために少々説明を。まず、スタインウェイを購入したのは平成8年10月。ピアニストの小山実稚恵さんが試し弾きをして選んでくれたたいへん筋のいいピアノです。その後、使用するのはほとんどプロのピアニストという形で数年が経過しました。スタインウェイの購入は、市民の熱意と募金活動が市を動かして実現したものです。そういうピアノに市民が触れる機会、演奏する機会をぜひ提供したいということで、平成13年12月に当館のピアノマラソンがスタートしました。そして、現在までに県内はもちろん、青森・岩手・宮城、さらには関東方面やフランス(パリ)からもという、総勢1231人の皆さんに弾き継がれてきました。

 今回は、ソロ演奏や連弾だけでなく歌(弾き語りやバリトン等)もあるなど、とても楽しみなプログラムとなっております。入場は無料。演奏者がそれぞれの思いを胸に奏でるピアノ…。ぜひ、あなたの目と耳と心で感じてください。
 そして、今回残念ながら闘病中で参加できない常連の荒川さんに、みんなの演奏(思い)が届くことを願っています。回復してピアノマラソンの舞台に戻る日を、職員一同心から待ってますよ。(工)