文化会館ただいま工事中 (2010/02/19掲載)

■停電の昼に

 16日(火)の休館日、全館停電してトランス(変圧器)の交換工事が行われました。施設管理者としてひとり事務室に詰めましたが、当然ながら電気が使えません。パソコン、コピー、ファクス、テレビ、電気ポット、みんな使えない一日。そんなわけで、薄暗い部屋で資料を読んだり手書きで書きものをしたり……考えてみればふた昔前のデスクワークはそんなものでしたけどね。

 この日の前に暖をとるための石油ストーブを探したのですが、驚いたのは今の石油ストーブのほとんどに電気コードが付いていること。職員の家の物置から昔のストーブを探しだしたりしてやっと間に合わせました。久し振りのダルマストーブ、なかなかいいものです。ヤカンをかけてお湯が沸かせ、加湿器代わりにもなるし。もっとも現場の並びの監視室にいる木村さんは、2か所の外へのドアが開放されて寒風が通る中に一日いたわけで、ストーブも焼け石に水(意味が反対かな)の寒さだったでしょう。お疲れさまでした。

 1月後半からリニューアル工事に入っています。昨年度から大館市が年次計画を立てて文化会館の改修に取組んでおり、今年度は大ホールの舞台機構、いわゆる吊り物関係がメインです。開館28年を経過したどん帳をはじめとする幕関係は汚れや傷みが目立ち、防炎効果も落ちています。そのためクリーニング、防炎加工、幕の取り換えなどを行っています。また、バトンの昇降設備も可能な範囲で交換します(交換した幕はできるだけリユースしています)。舞台の天井に置かれているこれらの設備は、万が一落ちたら命にかかわるので100%の安全が求められます。ある公立ホールでは本番中にどん帳が落ちるという事故がありました。ケガ人は出なかったようですが、会館職員としては怖くて笑えない実話です。

 改修には多額の費用がかかります。この時代ですから、文化会館に経費をかけて直すだけの価値があるのか、市民の支持が得られるのかという点が問われます。実際、当館と同年に開館した黒石市の文化会館は一昨年無期限の休館に入っています。文化会館の設置者は大館市ですが、管理運営や自主事業等の評価を受けるのは指定管理者であるわれわれ大館市文教振興事業団です。おかげさまで「文化会館がんばってるね」という声を聞くことが多くありがたい限りですが、おごらずに、よりよいサービスを提供するべく勉励努力しなければと、夕方になり暗くて仕事にならなくなった事務室でダルマストーブの炎を見つめながら思ったことでした。

 大ホールの改修は3月上旬までです。中ホールや諸室はふだん通り利用できますので、どうぞご利用ください。続いて、新人の桜町通信デビュー戦をどうぞ。 (陽)


■何とかなるさの意気込みで

 文化会館のスタッフとしてもうすぐ1年、先日ワークショップのポスターを作るようにとの業務命令が下りました。「私にできるわけないじゃない!」と思いつつ、「仕方ない、なんとかしてみっか」と取り掛かりました。出来上がるまで気になって夜もよく眠れなくなる小心な私でしたが、何とか完成に漕ぎつけました。ほっと一息ついていたところ、今度は桜町通信の文章を書くようにだって…。またまた「できるわけないじゃない」と思いつつ(以下同)。

 ということで、今回は、会館に足を運んでくれる常連さんを紹介しようと思います。時々、事務室にスーッと来て時間を過ごしていく男子高校生がいます。別の日には女子中学生が…。よく見ると何となく顔も雰囲気も似ています。聞いたら兄妹だとのこと。文化会館は、この子たちの心の休まる場所になっているんだなって感じました。文化会館というと何となくお堅く思われがちですが、皆さんどうぞお気軽にお越しください。スタッフ一同笑顔で歓迎いたします。

 私の文章、少しは恰好ついたかな。文化会館は思ってもいなかった経験ができる面白いところです。 (貝)