寒い季節は落語で温まるが吉 (2009/12/18掲載)

■芝浜と携帯

 先日、花巻市文化会館にて落語を観てきました。柳家さん喬、笑福亭鶴光、柳家喬太郎、立川志らく、桂枝太郎、紙切りの林家二楽という、なんとも豪華な顔付けで木戸銭が2000円。サザンシアターでやったなら4000円は下らない(だろう)この顔付けをこの価格設定とは、花巻恐るべし…なんてことを思いつつ出かけた私でございました。

 さて、その落語会のトリを取ったのがさん喬師。我が「おおだて特選落語会」にも出ていただいた次代の大看板で、私も大好きな噺家のひとりなわけですが、高座にかけた根多がなんと「芝浜」。まぁ師走の根多としては珍しいわけではありませんが、実は私、恥ずかしながら生の芝浜を聞くのは初めてで、それも大好きなさん喬さんということで、すこぶるテンションが上がっておりました。正直に言うと、さん喬さんの芝浜だけで2000円の価値はあったかなぁ…と。で、その芝浜なんですが、さん喬さんの高座姿そのものの如くに非常に美しいものでありまして、おかみさんが涙ながらに真相を告白した後の、魚勝と子供のやり取りなんてのはまさに絶品。いやぁいいもの拝見させていただいて、久々に満足した時間を過ごしたのでありました。

 ところで、そんな素敵な時間をぶち壊す出来事が起きたのは、まさしくその芝浜の最中のこと。私は非常に良い心持ちで高座を楽しんでいたわけですが、そんな心持ちを逆撫でするかのように携帯の着信音が鳴り響いたのです。前のほうに座っていた女性のお客様でした。誰しもミスをすることはありえますから、百歩譲って電源を切り忘れたことは仕方ないにしても。それにしてもです。その女性、すぐに着信音を止めようともせず、電話を鳴らしたまま外へ出て行ったではありませんか。よっぽど大事な電話だったんでしょうかね。さん喬さんは何事も無かったかのように噺を続けていましたが、その場の冷めようといい、本当にガッカリなさったことと察します。

 落語に限らず、舞台を観る際には最低限のマナーってものがありまして、携帯電話の電源を切るってことなんかは基本中の基本(少なくとも私はそう思う)なわけです。私の偏見かもしれませんが、そういう場面で携帯を鳴らしてあたふたしているのは得てして年輩のお客様のように思います。バッグの中に携帯を入れているので取り出しにくい上に、慌てているから余計に時間がかかり、しかも得てして着信音が大音量。単に無頓着なだけなのか、他人の迷惑をかえりみる余裕が無いのか、はたまた携帯の使い方を知らないだけなのか。いずれにしても、ちょぴり気をつければ済むことなわけで。少しだけ気配りをお願いしたいと思う今日この頃なのでございます。

 年明け1月23日(土)には、初登場の立川談笑さんと、お馴染み三遊亭白鳥さんをお迎えして、「おおだて特選落語会vol.14」を開催するわけですが、その際には携帯が鳴るようなことが無いように願っています。まぁ、大館のお客様に限ってありえないとは思いますが…と、プレッシャーをかけてみたりして。近頃のホールは携帯の電波が遮断されているところも多いのですが、残念ながら大館市民文化会館はそういうハイテクホール?ではございません。皆様のご協力をお願いいたします。(山)


■いよいよ明日19日はB'zの一般発売日です。

 ローソンチケット、チケットぴあ、イープラスで朝10時からの取り扱いです。文化会館では扱いませんのでくれぐれも間違って電話しないようにご注意を。みなさんの幸運を祈ります。明後日20日の「ピアノマラソン」もどうぞ観に来てください。こちらは入場無料で朝9時開始です。

 以上をもちまして09年の桜町通信はおしまいです。次回は1月8日にお目にかかる予定です。なにかとたいへんなご時世ですが、皆さまどうぞお元気で、よいお年を。 (陽)