『同郷の演奏家を応援』 (2005/08/19掲載)

布谷史人。大館出身の26歳。
今年5月、ヒューストンで行われたアイマ・ホグ・ヤングアーティスト・コンペティションで総合優勝を果たし、現在もアメリカを拠点に研鑽を積みつつ数多くのリサイタルや演奏を行っている新進気鋭のマリンバ奏者である。

そんな彼の人となりを知ろうと企画したインタビュー。何度か仕事でご挨拶程度にはお目にかかっていたのだが、ゆっくり話を伺うのは初めてのことであった。その日、直前に取材を1本終えていたにもかかわらず、彼は嫌な顔ひとつせず快く僕を迎えてくれた。彼の訥々とした語り口はとても物腰が柔らかく、非常に心地よかったためか随分と長話をしてしまった。本当はその様子を全編にわたって紹介したいのだが、紙面に限りがあるので、後にネット上ででもご紹介できればと思っている。

ヒューストン新聞のレビューでは「マリンバがピアノやヴァイオリンのように有名な楽器であったら、彼の名はソロ奏者として世界中に知れ渡るであろう」と評された彼。彼にしてみれば「有名な楽器であったら〜」という仮定の表現がちょっぴり不満だったりするみたいだが、評価が高いことには変わりない。地元出身の人間が、世界的奏者となる可能性を秘めているというのだ。とても凄いことではないか。

やはり、どんなジャンルでも同郷の人間が活躍するのはとても嬉しいものである。そして、いつの日か、リサイタルのチケットがプラチナチケットと呼ばれるアーチストになってほしい。そんな期待を込めて、彼を応援しつづけようと思うのである。

布谷史人。大館出身の26歳。マリンバ奏者。8月26日、文化会館大ホールでは彼のリサイタルが開催される。(山)