『廃校の校歌が甦る』 (2005/08/05掲載)

元オフコースの松尾一彦さんがホームページに載せた一文がきっかけでした。それによると、松尾さんは小学校時代を旧比内町で過ごしており、町の学童野球大会にエースとして出場し見事初優勝を遂げたのです。そしてその小学校は、今はもう存在しません。

そういえば、廃校になった学校の校歌はもう新しい子どもたちが歌うことはなく、消えゆくのみなのだと思ったことが、今回のイベントにつながりました。三年前から温めてきた企画です。イベント名は『夏草の詩〜甦る廃校の校歌・小学校編〜』。廃校になった市内の小学校の校歌を復活させようというイベントです。分校を含む十一校の校歌が時を超えて甦ります。八月十二日(金)午後二時開演です。市内の合唱団が歌いますが、卒業生や元教職員などの関係者にもぜひ参加していただきたいと思っています。文化会館までお申込み、お問合せください。(49・7066)

先日、廃校の跡地を訪ねてみました。既に四校は無人の山野でした。廃校の歴史と今を知ることは、地方の末端に日本の産業の消長や人口移動の様を見ることです。それとともに、どのような所にも教育の火を灯そうとした、先人の熱い思いを知ることでもあります。『夏草の詩』は、単なる懐古趣味でなく、新しい地域の絆を結ぶ一助になりたいとの願いをこめて開催します。

柄にもなく力の入った文章になってしまいましたが、このイベントは新大館市合併記念事業で
もあるのです。司会には大館ゆかりの大間ジローさんと石川文子さん。松尾一彦さんも大間さんとのトーク&ライブで出演予定です。オープニングは曲げわっぱ太鼓の皆さんが花を添えます。入場料は、一般四百円。これは廃校の校歌集の実費分です。高校生以下は無料です。

東京都交響楽団はいよいよ明日が本番。藤里町からも熱心な先生の引率で中学生が団体で聞きに来ます。市内ではそれほど学生券が出ていませんが、この演奏会こそ小中高生に聞いていただきたいもの。当日券も用意しています。ぜひ本物を聞いてください。(陽)