『オーケストラがやってくる!』 (2005/07/22掲載)

「あのぉ、村治佳織さんの出るオーケストラのチケット、もうないんでしょう?」この頃多いんです、こんな電話が。文化会館としてはまことに遺憾ながら、チケットはまだあるんですよ。

8月6日(土)の『東京都交響楽団演奏会』は、大館市民文化会館の有料公演としては実に9年振りのフルオーケストラです。アンケートの希望では常にオーケストラがトップですが、ギャラも交通費も嵩むので、大館での公演実現はなかなかたいへんなのです。

しかし、今回のコンサートは絶対のおすすめです。まず、ソリストがすごい。ギターの村治佳織(むらじ・かおり)さん。CM出演や写真集出版などで人気の程が知れますが、人気だけでなく世界のコンクールで優勝を重ねた実力は折り紙付きです。ギター協奏曲の最高峰「アランフェス協奏曲」で登場します。

次に、指揮者がすごい。大阪生まれのアメリカ育ちという金聖響(きむ・せいきょう)さん。若手の中で実力はピカイチ、しかもくやしいことにカッコイイ。

オーケストラもすごい。東京都交響楽団はフルネやベルティーニなどフランス系大物指揮者の薫陶を受け、今や国内で最もヨーロッパ的なサウンドを持つ団体です。今回のプログラムにはピッタリ。

それから、曲目がすごい。地方公演での定番「新世界より」などでなく、フランス、スペインのとびきりの名曲揃いのプログラムです。とくにお奨めはCMなどでもおなじみの「ボレロ」。〈音の魔術師〉ラヴェルの手になる管弦楽法の極致を、特に最後の最後に訪れる転調のカタルシスをぜひ生で味わってください。

そして、料金がすごい。宝くじの収益による補助で、通常の半額以下、一般3000円、小中高生1500円という低料金が実現しました。これは本当に安い。ぜひ子どもたちにも聴いてもらいたいものです。

最後に内緒の内幕話をひとつ。実はこの演奏会、東京のサントリーホールで予定されていたものです。むりやり大館に引っ張ってきたおかげでサントリーホールの公演は消えてしまいました。
まずはお電話ください。文化会館0186・49・7066まで。(陽)